相続相談×公道事務所＝未来への想い、安心の実現へ 運営者：司法書士法人公道事務所

「叔父が亡くなったんです」というお電話がＡさんからかかってきたのは半年前のこと。
「叔父はマンションを持ってて、預貯金もそこそこあって。相続手続きっていろいろあるから何をどうすればいいかよくわからなくて…税金の申告ってお願いできるんですか？
叔父は独身で父の弟なんです。父と叔父はとても仲良しでしたけどほかに３人弟がいて、その方たちとはもう何十年も連絡をとっていません。
こういうときって何をしたらいいんでしょう、正直初めてのことなのでどこをどうすればいいのか…、しかも疎遠な方もいるし。何もわからないんです」とおっしゃいました。
担当者は「税金は税理士が専門なので税理士に相談していただきたいですが、不動産の名義変更は専門なので承ります」とお伝えしました。

『司法書士』ってどういうイメージですか？
「なんか難しい資格らしいけど…」とか「法律が専門みたいだけど何をしてくれるの？」「相続でよく聞くから税金も知ってるよね」etc…。
つまりどんな仕事をしているのか具体的にはよくわからない専門家、それが司法書士です（ちょっと悲しい）。
もっとも司法書士について「こういうことやってる人」と答えられる方はとても少ない、たぶん不動産業に携わる方であったり公務員であったり、はたまた弁護士さんや税理士さんのような専門職であったりするでしょう。
つまり大多数の人が知る機会のない専門家が司法書士なのです（トホホ…）。

で、そんな司法書士ですがいったいどんな仕事をしているかというと、
①不動産の名義に関する手続き
②認知症の人などを法律的に見守る仕事（成年後見人）
③亡くなった方の預貯金解約手続き
④「お金を返せ」という裁判手続き（返せという金額に「140万円以下」という制限がありますが）
⑤会社の代表者が変わったり資本金を増やしたときの登記簿を書き換える手続き（会社を設立した時の登記もあります）
⑥遺言書の作成と作った方が亡くなった時に遺言の内容を実現するための手続きなどなど。

あれれ？意外といろいろやっているかも？
だからみなさんが「何してるのかよくわからない」と思ってしまうのかもしれませんね…（とほほほ、本末転倒）。
得手不得手は司法書士によって違いますので、相談していただければと思いますが、基本的にはこういうかんじです。

で、今回のような不動産の名義変更手続きは司法書士の真骨頂（手前味噌ですが）、「よし、来たぞ、待ってました」というぐらいお役に立てる仕事です。
担当者はいつもどおり戸籍を集め、相続人を特定しました（何と１０人もいました）。
中には相続人が亡くなって相続人の相続人が相続するという、ちょっとした落語みたいな事態も。
Aさんにそのことをお伝えすると「そんなにいるのか…」とおっしゃって「今後どうしたらいいのでしょうか」とおっしゃいました。
担当者は「それぞれのご家族で代表みたいな方がいるから「これこれこういうことがあって、申し訳ないけどみんなの意見をまとめてほしい」ってお願いするのがいいかもしれませんね」とアドバイスしました。
※司法書士は弁護士と違って交渉行為ができません。
　ご理解くださいますようお願い申し上げます。

担当者がやきもきやきもきしていた一年後「話がまとまりまして」とAさんがいらっしゃいました。
「わたしが名義を持ち、みんなに平等に売却したお金をわけることになりました」とAさん。
担当者は以上の内容を記載した遺産分割協議書をAさんに渡して、相続人の方のご署名・ご捺印と印鑑証明書を預かってほしいとお願いしました。
二週間後Ａさんから「全員分の書類が集まりました」とのご連絡がありました。
担当者が確認したところ全部書類がそろっていたので、そのまま法務局に申請しました。
Ａさんは「司法書士が何をしているか初めてよくわかりました」とおっしゃってくださいました。