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コラム

遺言 2021/06/13

遺言でできること、できないこと

遺言でできること、できないこと

遺言でできること

遺言書に書いた内容がすべて法的な効力が生じるわけではありません。
法的効力が生じるのは「遺言事項」に限られます。
遺言事項は大きく①財産に関すること、②身分に関すること、③遺言の執行に関することの3つに分けられます。
以下、この3つについて解説します。

1.財産に関すること
財産に関しては、相続分の指定遺産分割方法の指定遺贈遺産分割の禁止特別受益の持ち戻し免除の5つが遺言事項となります。

【相続分の指定】
相続分の指定とは、遺言により、共同相続人の全部または一部の者について、法定相続分の割合とは異なった割合で相続分を定め、またはこれを定めることを第三者に委託することをいいます(民法902条)。

具体例
息子3人のうち、亡くなった父の面倒をみてくれた長男には遺産の2分の1を、次男と三男にはそれぞれ4分の1を与えたいというケース

 

相続分の指定をする場合の注意点2つ

①相続分を指定しても具体的な内容は遺産分割が必要
相続分の指定ではあくまで割合のみを定めるため、具体的にどの財産をどう分けるかは相続人たちが遺産分割で決定することになります。

②相続分の指定は遺留分に注意
遺留分という相続人(兄弟姉妹を除く)に保障された最低限の取り分があります(民法1042条)。
相続分は遺言で自由に指定できますので、たとえ遺留分を害する相続分を指定した遺言であっても、それ自体は有効です。
しかし、遺留分を侵害された相続人は、相続分の指定によって利益を受けた相続人に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できます(民法1046条1項)。

【遺産分割方法の指定】
遺産分割方法の指定とは、遺産分割の方法を指定することをいいます(民法908条)。
第三者に遺産分割方法の指定を任せることもできます。

遺産分割の方法には、いくつか種類があります。
まず、特定の相続人に特定の財産を相続させる旨の内容です。このような遺言は「特定財産承継遺言」と呼ばれます。

具体例
Aに甲不動産を、Bに乙不動産を相続させる

 
また、遺産を現物分割、換価分割、代償分割のいずれの方法により分けるかを指定することも遺産分割方法の指定に当たります。

具体例
現物分割:不動産を長男が相続し、現金は二男が相続する。
換価分割:不動産を売却し、代金を2人で均等に分配する。
代償分割:不動産を長男が取得する代わり、二男に500万円を支払う。

 
【遺贈】
遺言書では特定の人に「遺贈」するもできます(民法964条)。
遺贈とは、財産の全部または一部を無償で譲渡することをいいます。
遺贈であれば「A不動産を親友Bに遺贈する」というように、相続人以外の人にも財産を渡すことができます。

【遺産分割の禁止】
5年以内の期間に限り、遺産分割を禁止することができます。

【特別受益者の持戻し免除】
特別受益者とは、被相続人から生前に贈与を受けていたり、遺贈された人のことをいいます。
共同相続人のうち特定の人だけが贈与を受けていた場合に、法定相続分どおりに相続分を計算すると、不公平な相続になってしまいます。
このような不公平な状態を是正するため、法律は「特定の人がもらった贈与・遺贈の額を一旦相続財産に持戻した上で法定相続分を計算してください」と決められています。これを特別受益の持戻しといいます。
遺言では、この特別受益の持戻しをさせないことができます。

※特別受益の範囲
特別受益の範囲については、民法には「共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた」と定められています。
遺贈については、条件が付けられていませんから、遺贈によって取得した財産は、すべて特別受益に含まれます。
死因贈与も遺贈と同様にすべて特別受益に当たります。
生前贈与については、すべての贈与が特別受益となるわけではなく、次の3つの目的で行われた贈与が特別受益に当たるとされています。
・婚姻のための贈与
・養子縁組のための贈与
・生計の資本としての贈与

※贈与の期間制限
具体的にいくら相続するかの計算においては、特別受益となる贈与に期間制限はありません。

これに対し、いくら遺留分を有するかの計算においては、以下のとおり、民法改正により特別受益となる贈与に期間制限が設けられました。

  • 死亡日が令和元年年7月1日より前の場合
    過去すべての贈与を含む
  • 死亡日が令和元年年7月1日以降の場合
    原則、死亡日から10年以内の贈与に限る。
    但し、贈与時において、遺留分侵害者が、他の相続人の遺留分を侵害することを知っていた場合には、10年以上前の生前贈与でも遺留分の計算に含まれる。

 

令和元年年7月1日施行の民法改正により、遺留分算定時の特別受益に該当する贈与の範囲が変更されました。
従前は、被相続人が亡くなる何十年前の贈与であっても、期間の制限なく特別受益となる可能性がありました。
しかし、民法改正により、原則として被相続人が亡くなる前「10年以内」の贈与に限り、特別受益に該当し得るものとなりました。
ただし、贈与の当事者である被相続人と相続人とが、遺留分を有する他の相続人に損害を加えることを知りながら贈与した場合には、10年前の日よりも前になされた贈与についても、特別受益に該当し得ることとされております。
改正民法が施行される令和元年年7月1日よりも前に開始された相続に関しては、改正民法の適用はありません。

2.身分に関すること
身分については、認知廃除またはその取消未成年後見人または後見監督人の指定が遺言事項となります。

【認知】
婚外の子を認知することが出来、認知された子は相続人となることができます。

【法定相続人の廃除またはその取消】
相続人を廃除したり、また廃除の取消しができます。
※廃除とは、相続人から虐待を受けたり、重大な侮辱を受けたりしたとき、またはその他の著しい非行が相続人にあったときに、相続人の地位を奪うことをいいます。

【未成年後見人または後見監督人の指定】
相続人の中に未成年者がいて、親権者がいない場合は、遺言によって後見人や後見監督人を指定することができます。

3.遺言の執行に関すること
遺言の執行については、遺言執行者の指定またはその指定の委託が遺言事項となります。
遺言の内容を確実に実現できるように、遺言の内容を実行してくれる人を予め指定しておくことができます。

遺言でできないこと

上記遺言事項以外のものは、遺言に記載しても法的効力は生じません。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

【認知以外の身分的な行為】
遺言により、結婚や離婚、養子縁組をすることはできません。

【借金などの債務の分割を指定すること】
金銭債務は、相続と同時に法定相続分に応じて分割されることとなります。
遺言により債務の分割を指定した場合、相続人の間ではその指定は有効としても、債権者に対しては効力を持たないこととなります。

【付言事項】
付言事項とは、相続人に自分の思いなどを伝える最後のメッセージのことをいいます。
たとえば,家族への感謝、遺言で財産を特定の者に相続させることにした理由,亡き後の処理のしかた,葬式の方法について自分の思いを伝えることができます。

なお、これらの記載があったとしてもその記載に効力が生じないだけで、遺言の全体が無効になるわけではありません。

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