相続相談×公道事務所=未来への想い、安心の実現へ 相続相談プラザ公道 運営者:司法書士法人公道事務所

お問い合わせ

所沢事務所(新所沢駅 徒歩4分) 04-2995-8812受付時間 午前9時~午後7時(土日相談可)

池袋事務所(池袋駅 徒歩3分) 03-6384-4530

所沢事務所

9:00~19:00
土日相談可

池袋事務所

9:00~19:00
土日相談可
お問い合わせ

コラム

相続登記相続放棄 2022/01/23

連帯債務者の1人が死亡した場合の相続

連帯債務 相続

連帯債務とは?

連帯債務とは、数人の債務者が同一内容の債務について、各自独立して全部を履行すべき義務を負うものをいいます。

債務者の数だけ、それぞれ独立した債務が存在し、保証とは異なり連帯債務者間に主従の関係はありません。
連帯債務者の一人について、その契約内容に無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務の効力には影響がありません(民法 433 条)。

連帯債務者のうちの一人が全部の債務を弁済すれば、連帯債務者全員の債務が消滅します。
債権者は、連帯債務者の誰か一人に対して請求することもでき、同時に又は順次に全員に対して請求することもできます。

【連帯債務者間の各自の負担部分】
負担部分とは、連帯債務者相互間で、負担すべき債務の割合をいいます。
負担部分は、第1に連帯債務者間の特約によって定まり、特約がないときは債務について各債務者の受けた利益の割合によって定まり、それも明らかでない場合は平等になります。
例えば、A・B・Cの3人がDに対して60万円の連帯債務を負っている場合(各自の負担部分は平等とする)、連帯債務者Cが債権者Dに60万円全額を弁済したときは、Cは、他の連帯債務者A・Bに対して、本条に基づき、それぞれ負担部分である20万円を求償することができる。

【一部弁済でも他の連帯債務者に求償権を行使できるか?】
求償権(きゅうしょうけん)とは、他人の債務を代わりに支払った人が、その肩代わりした分をその人に請求する権利のことをいいます。
民法では、自己の負担部分を超えていなくても他の連帯債務者に対し各自の負担部分に応じた額の求償権を有することができると明示されています。

(連帯債務者間の求償権)
民法442条

  1. 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず 、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
  2. 前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。

 

連帯債務者の1人が死亡した場合、どのように相続されるのか?

債務者の相続人が数人ある場合にどのように相続されるのかについては判例があります。

最判昭和34年6月19日・貸金請求事件
債務者が死亡し、相続人が数人ある場合に、被相続人の金銭債務その他の可分債務は、法律上当然分割され、各共同相続人がその相続分に応じてこれを承継するものと解すべきである。

 

具体例で解説します。

AとBが甲銀行に対し1000万円の連帯債務を負っていたところ、Aが死亡した。
Aの相続人は妻Cと娘Dの2人である。

連帯債務の相続

 

この場合、連帯債務はどのように相続されるのでしょうか?

Aの相続人CDの法定相続分はそれぞれ2分の1ずつとなります。
連帯債務は分けることのできる「可分債務」に当たるため、法律上当然に相続分に応じて分割されます。
したがって、CDはそれぞれ「1000万円×2分の1=500万円」ずつ連帯債務を承継することになります。

銀行としては、Bに対しては1000万円全額請求でき、CDに対しては、500万円ずつしか請求することができません。

仮にCが全額払った場合はBに500万円、Cに250万円を私に払うよう求償権を行使することができます。

連帯債務を相続した場合の注意点

遺産分割協議の際、誰が相続債務を負担するのかについて合意をすることができます。
しかし、上記判例のとおり、金銭債務などの不可分債務については、法律上当然に分割されて、各相続人が相続分に応じて承継しています。
そのため、債権者は遺産分割の内容に関わらず、各相続人に法定相続分に応じた請求をすることができます。

遺産分割協議で誰が相続債務を負担するのかについて合意をすること自体は有効ですが、それはあくまで債権者に支払った後の内部関係にすぎません。
遺産分割協議により債務を承継しないとされた者であっても、債権者から法定相続分に応じた請求をされれば支払いに応じなければならないのです。

もし、相続人間の合意だけで相続債務の帰属を自由に決められるとすると、支払能力のない相続人に相続債務が押し付けられてしまい、債権者による債権回収は困難となってしまうからです。

まずはお気軽にご連絡ください 04-2995-8812

お問い合わせ