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コラム

遺言 2021/11/16

公正証書遺言書作成の流れと必要書類

公正証書遺言①

公正証書遺言とは

公正証書とは、公証人が作成する公文書のことをいいます。
公証人とは、裁判官や検察官、弁護士その他法律実務に携わった者が、公募に応じ、法務大臣から任命された者のことをいいます。

公正証書遺言は、証人2人以上の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人の面前で、口述し、それに基づいて、公証人が公正証書遺言として作成するものです。

以下、公正証書遺言のメリット・デメリット、作成の流れ、必要書類、かかる費用について解説いたします。

公正証書遺言のメリット・デメリット

自筆証書遺言か公正証書遺言かの選択をするためにそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
自筆証書遺言遺言はさらに①従来型の自宅で保管する場合と②令和元年に新しくできた自筆証書遺言書保管制度(法務局で保管してもらう場合)に分けて見ていきます。

 

 公正証書遺言
(公証役場で保管)
自筆証書遺言書保管制度
(法務局で保管)
自筆証書遺言
(自宅で保管)
メリット ①紛失・偽造のおそれがなくなる。

②検認手続きが不要になる。

③無効になるおそれを限りなく低くすることができる。

①紛失・偽造のおそれがなくなる。

②検認手続きが不要になる。

③死後通知の制度がある。

①費用がかからない。

②いつでもどこでも自分で作成できる。

デメリット ①費用がかかる。
②公証人手数料
(目安:3~10万円)
③司法書士報酬
(目安:8~15万円)
④手間がかかる。
⑤原則として公証役場に出向く必要がある。
時間がかかる。
遺言書の内容の打ち合わせと日程調整
(目安:2週間~1か月)
証人2名を用意する必要がある。
①費用がかかる。
②法務局手数料
(一律3900円)
③司法書士報酬
(目安:8~15万円)
④手間がかかる。
⑤必ず法務局に出向く必要がある(法務局には出張制度がない)。
⑥無効になる可能性が残ってしまう。
但し、司法書士などの専門家にチェックしてもらうことで防ぐことは可能です。

①紛失・偽造のおそれが残る。

②無効になるおそれが残る。

③検認の手続きが必要になる。

 

自筆証書遺言書保管制度と公正証書遺言との比較については別のコラムで詳細に解説していますのでそちらをご覧ください。

自筆証書遺言書保管制度と公正証書遺言との比較

公正証書遺言書作成の流れ

公正証書遺言書作成の流れは以下のようになります。

  1. 遺言書の案を作成する。
  2. 必要書類を集める。
  3. 証人2人を誰にするかを決めておく。
  4. 公証役場に必要書類と遺言書の案を提出する。
  5. 遺言書の内容について公証人との打ち合わせを行う。
  6. 遺言者本人と証人2人が公証人の面前で遺言書を作成する。

※依頼から公正証書遺言の完成まで3週間~1か月ほどかかります。

1.遺言書の案の作成
まずは、どの財産を誰にあげたいのかについて明確にし、遺言書の案を作成していきます。
遺言書の書き方に不安がある方は司法書士などの専門家に依頼されることをお勧めします。

2.必要書類の収集
遺言書の案の作成と並行して必要書類を集めていきます。
必要書類については後述します。

3.証人2人を誰にするかを決めておく。
公正証書遺言作成時には当日立ち会ってくれる証人2名の用意が必要です。
推定相続人だと証人にはなることができないことになっているため、通常は全く関係のない人に頼んで当日立ち会ってもらうことになります。
身の回りにお願いできる人がいない場合は、司法書士事務所の職員を証人として立てることも検討することになります。

(証人及び立会人の欠格事由)
民法第974条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

 

4.公証役場に必要書類と遺言書の案を提出する。
公証役場から、予め遺言書の案と必要書類の写しを求められるため、書類を提出する。
FAXでも対応してくれます。
FAX番号は以下の日本公証人連合会のホームページから確認できます。

公証役場一覧を確認したい方はコチラ

5.遺言書の内容について公証人との打ち合わせを行う。
公証人が遺言書の内容をチェックし、公正証書の形に整えるための時間もかかります。
打ち合わせにかかる期間としては2週間くらい余裕をもってスケジュールを立てておく必要があります。
さらに公証役場に出向く日程を調整する必要がありますが、公証役場も1~2週間先までは予定が詰まっていることも多いため、早めに日程を決めて予約しておくとよいでしょう。

6.公証人の面前で遺言書を作成する。
予め予約した日に公証役場に遺言者本人と証人2人が出向き、遺言書を作成する。
本人が公証役場に出向けない事情がある場合は、有料で公証人の出張してもらう制度を利用することも可能です。

公正証書遺言書作成のための必要書類

公正証書遺言書を作成する際に必要な書類は以下のようになります。

【打ち合わせの段階で必要な書類】

  1. 遺言書の案
  2. 遺言者の印鑑証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
  3. 遺言者の戸籍
  4. 相続人に相続させる場合は、遺言者と相続人との繋がりがわかる戸籍
    ※上記3の遺言者の戸籍に遺言者と相続人の両方の記載がある場合は重複して取得する必要はありません。
    相続人以外の人に遺贈する場合は、その人の住民票
  5. 財産に関する資料
    預貯金の場合:通帳など。
    株式の場合:取引残高報告書など。
    不動産の場合:登記事項証明書と固定資産税の課税明細書など。

 

【遺言書作成当日に持参してもらうもの】

  1. 遺言者の本人確認資料
    本人確認資料は以下のいずれかを準備する必要があります。
    ①「印鑑証明書+実印」
    ※印鑑証明書は遺言書作成日当日から遡って3ヶ月以内に発行されたものに限ります。
    ②「顔写真付きの身分証+認印」
    ※身分証は運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど顔写真付きのものに限ります。
  2. 公証人の手数料(現金で支払うため)
  3. 証人の身分証と印鑑

 

公正証書遺言書作成にかかる費用の目安

公正証書にするためにかかる費用としては以下の2つがあります。

①公証人に払う手数料
②司法書士など専門家に依頼した場合の報酬

 

1.公証人に払う手数料

公証人に対する手数料は、原則として、その目的価額により定められています(公証人手数料令9条)。

(1)基本手数料

目的価額  手数料
100万円以下 5000円
100万円を超え200万円以下 7000円
200万円を超え500万円以下 11000円
500万円を超え1000万円以下 17000円
1000万円を超え3000万円以下 23000円
3000万円を超え5000万円以下 29000円
5000万円を超え1億円以下 43000円
1億円を超え3億円以下 4万3000円に超過額5000万円ごとに1万3000円を加算した額
3億円を超え10億円以下 9万5000円に超過額5000万円ごとに1万1000円を加算した額
10億円を超える場合 24万9000円に超過額5000万円ごとに8000円を加算した額

 

(2)手数料はもらう人ごとに算定

手数料は、遺産を取得する相続人ごと、各受遺者ごとに取得する財産の目的価額を算出し、それぞれの手数料を算定し、その合計額がその証書の手数料の額となります。

例えば、総額1億円の財産を妻に8000万円、長男に2000万円相続させる旨の遺言の場合、手数料は妻の分が4万3000円、長男の分が2万3000円となるため、合計6万6000円になります。

(3)遺言加算

遺産総額が1億円以下の場合は、「基本手数料」に加え、「遺言加算」として1万1000円が加算されます。

 

(4)不動産の価格の算定

・建物・・・固定資産税評価額の金額そのまま
・土地・・・固定資産税評価額の金額×1.4倍(倍率は公証役場により異なる場合があります。)

(5)公証人に出張してもらった場合の手数料

遺言者が病気等で公証役場に出向くことができない場合には、公証人に出張してもらうこともできます。
この場合の手数料は、目的価額による手数料額の1.5倍となります。
この他に、交通費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要になります。

 

2.司法書士・弁護士などの専門家の報酬

専門家に依頼して、契約書の文面を作成と公正証書にするための公証人とのやりとりをしてもらった場合に専門家に払う報酬額の相場は10万円~15万円+消費税となります。証人2名の準備も依頼される場合は別途費用がかかります。

どこの公証役場を選べばいいか?

全国どこの公証役場でも対応可能です

契約者の自宅や勤務地に一番近い公証役場を選んでもかまいません。

公証役場ごとに混雑の具合は異なりますので、「行ける日はこの日しかない」という場合や、「1日でも早く公正証書にしたい」という希望がある場合は、いくつか公証役場に電話で予約状況を確認して都合のいい公証役場を選ぶとよいでしょう。

遺言者が病気等で公証役場に出向くことができない場合には、別途費用を払うことで公証人が出張して公正証書を作成することもできます。
但し、公証人は同じ都道府県の範囲内でしか出張することができない点に注意すべきです。
例えば、東京都内にある公証役場の公証人は、東京都内であれば出張できますが、東京都外には出張できません。
病気等で公証役場に出向くことができないために公証人の出張を希望する場合は、同じ都道府県内で公証役場を探すことになります。

全国の公証役場一覧を確認したい方はコチラ【日本公証人連合会のHP】

例えば、関東にある公証役場は以下の場所にあります。

  • 東京(45か所)
    池袋、高田馬場、新宿、新宿御苑、練馬、立川、中野、杉並、板橋、霞が関、日本橋、渋谷、神田、大森、文京、上野、浅草、丸の内、京橋、銀座、新橋、芝、麻布、目黒、五反田、世田谷、蒲田、王子、赤羽、小岩、葛飾、錦糸町、向島、千住、麹町、浜松町、八重洲、大塚、赤坂、昭和通り、武蔵野、八王子、町田、府中、多摩
  • 埼玉(10か所)
    所沢、川越、大宮、浦和、秩父、川口、熊谷、越谷、春日部、東松山
  • 千葉(10か所)
    千葉、船橋、市川合同、木更津、銚子、松戸、柏、成田、館山、茂原
  • 神奈川(15か所)
    川崎、相模原、博物館前本町、横浜駅西口、関内大通り、尾上町、みなとみらい、鶴見、上大岡、溝の口、藤沢、横須賀、小田原、平塚、厚木

 

 

 

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